MENU

求人広告で一番大切なこと

先日の日経新聞を読んでいたところ、「人手不足と感じている企業は、人手が適正だと答えていた企業に比べて、生産性が3割ほど低いということを明らかにした」という記事を見つけました。
人手不足関連での倒産もどんどん増えてきているようです。

中小企業にとっては、人手不足は特に深刻な問題かと思います。
労働人口も減っていく状況下の中、今は条件が良い大手企業もどんどん転職で門戸を広げているんです。
そうなると、ますます中小企業の採用は難しくなり、どんどん人手不足になり、生産性が下がっていきますよね。

とにかく、企業の成長を支えてくれる人材を採用できるかどうか?それが喫緊の課題である中小企業も多いと思います。
ただ、私も毎日多くの求人原稿をリサーチしてチェックしていますが、非常に勿体無い求人原稿が多いですよね。
ほとんどの企業様の求人広告で、広告の基本が抜け落ちてしまっているのです。

我々セールスライターからすると、その基本の部分は一番注力するべき点であり、非常に工数のかかる作業になるのですが、求人広告会社のライターの方は、本当に捌く件数が多いので、その辺りまでしっかり取り掛かっている時間がないのかもしれません。

じゃあ、その基本とは何か?というところですが、それは、読んでいる人の感情を動かすということです。
私がセールスライティングを学んでいる先生から言われた言葉で、「感情を動かせない広告はゴミだ」という言葉があります。
まさにその通りです。どんなに格好良い文章であろうが、どんなに考え抜かれて作られたLPだろうが、読者の感情が動かなければ、全く意味がありません。
残念ながらほとんどの求人広告の場合、この感情が動く要素が全くありません。
おそらく、すごくお金もかけて掲載していると思いますので、これはすごく勿体無いですよね。

では、どうしたら感情が動くのか?
その方法はいくつもあるのですが、我々の場合であれば、
①ターゲットを選定
②会社の理念、ビジョン、価値観などの深掘り
③内容の具体化
④ベネフィット
⑤条件面

この辺りを徹底してリサーチして原稿に落とし込んでいきます。

特に大切なのがターゲット選定です。どういう人に来てもらいたいか?ここがはっきりしないと、すべての根底が崩れてきます。
なぜなら、どのような文章が響くのか?は人によって違ってきますので、そのターゲットの人たちの感情が動くように原稿を作っていかなければならず、ターゲットの人が定まってなければ、原稿の書きようがないからです。
例えば、「残業が少ないですよ!」ということに対して嬉しいと感じる人もいれば、「成長できる環境です」という点にワクワクする方もいます。
そのため、まずはしっかりターゲットの方がどういう人か?を考え、その人たちが求人原稿を見た時に、「この会社いいな!」と直感的に思ってもらえる内容でないと、応募をするはずがありません。

では、ターゲットの方が決まったら、次はどうすればそのような人たちの心を動かせるのか?
この時にも意識するべきは、爬虫類脳と哺乳類脳です。
先日の記事にも書きましたが、爬虫類脳は生理的な判断や生存本能に関する脳で、イエスかノーの判断しかできない脳です。
哺乳類脳とは、感情を動かしたり、人間的なつながりを求めたりする脳です。
これらの脳は0.7秒で判断を下し、最終的な意思決定に大きな影響をもたらすと言われています。

そして、その脳を刺激し直感的に、「この会社良いかも!」と思ってもらうには、
・会社の理念、ビジョン、価値観
・条件面
この二つが非常に大切です。

なぜなら、求職者は会社の理念やビジョン、価値観に共感した時に、心が動き、「この会社は良いかもしれない」と思ってくれるからです。
特に若い世代には、規模や事業の大きさだけではなく、その事業は何のために存在して、何を目指しているのかっていうストーリーを見せた方が響きます。
例えば、弊社の企業理念は「ワクワクを創出することを通じて、地域の幸せに最大限貢献する」というものですが、なぜ、それで採用事業をしているかと言えば、ワクワク仕事をする方を増やしたいからです。採用という企業選択の入り口が日本はまだまだ未発達であり、その結果、採用のミスマッチが起きてしまい、ワクワク働ける人が減っているんじゃないか?と私は思っています。私は、そんなミスマッチを解消して、誰もがワクワク働けて、企業の生産性も上がり、その結果、給料が増えて、より地域の幸せ度が上がる世界を作っていきたいです。
・・・と語っていくとかなり分量が多くなるので、この辺で止めますが、このように社長や会社の熱い思いに共感してくれなければ、心が動きませんので、爬虫類脳や哺乳類脳は刺激されないでしょう。もちろん、応募なんてきません。
その上で、条件面が大切で、やっぱりどんなに理念に共感したとしても、給料が安すぎると生活が苦しくなってしまうので、厳しいと思います。
条件面はしっかり地域の競合を調査して、最低でも月給であれば2万円差までには抑えないと厳しいです。
できれば、イーブンかそれ以上の条件が良いということは言うまでもないと思いますが・・・

その上で、人間脳(論理的に考える脳)で本当にこの会社は大丈夫か?という形で原稿を見ていくので、仕事内容や職場環境の具体化やベネフィットが必要になってきます。

この辺りもしっかりリサーチして、どのような表現ならターゲットの求職者に響くのかしっかり考えて原稿は作らないといけませんので、非常に工数がかかります。

人財採用会社のライターは1人で何十件も抱えているので、正直、この辺りをしっかり行うのは厳しいかもしれません。
私も月に5社までが限界です・・・