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営業員は〇〇をしないとお客様に敵と見なされる

先日、セールスを受けていた時の話です。
私の疑問や意見に対して、すべてその営業員の方に否定をされるという経験をしたのですが、否定をされ続けると、だんだんと営業員の方のことが嫌いになってくるんですよね。
なぜなら、人間には承認欲求というものがあり、自分の意見を否定されることが嫌いな動物だからです。そして、人間は共感してくれない相手に対しては、攻撃してくる敵だとみなし、嫌いになります。
例えば、私が、「この商品は他のサービスと違って、〇〇という点が良く無いと思うのですが、その辺りどう思いますか?」と聞いたとします。
そうしたら、先方の営業員の方から、「いえ、〇〇に関しては他社より良いです。もし、良いと思わないのであれば、別に契約してくれなくて結構です」みたいに言われたら、こちらも嫌な気持ちになりますよね。

仮に、その営業員の方の意見が正しかったとしても、もし、そのような言われ方をされてしまうと、こちらも相手の意見を否定したくなります。そうすると、どんどん契約から遠ざかっていってしまいます。

ところで、なぜ、人間は意見を否定されると、相手の意見まで否定をしたくなるのでしょうか?
なぜなら、人間には、返報性の原理というものがあり、相手に何かを与えられると、何かをお返ししたくなるという原理のことですが、その原理が働くため、相手に意見を否定されると、こちらも意見を否定したくなるのです。
そのため、相手の意見が正しくなかったとしても、相手の意見にしっかり共感してあげることによって、返報性の原理が働き、「相手に共感してもらったから、次はこちらも相手の意見をしっかり聞こう」という心理が働くので、こちらの意見が伝えやすくなります。

「えっ?全ての意見を共感しても大丈夫なの?」と思われるかもしれません。
しかし、実際に、意見というものは、見方によって正しいか、正しく無いかが変わるものです。
つまり、基本的には、意見に正しいも正しく無いもありません。
なぜなら、意見は見ている側面によって、いろいろな解釈ができてしまうものだからです。

例えば、「車が良いものである」という意見について考えてみます。
車は当然、非常に便利なものですよね。徒歩で行けば何時間もかかるところにも、数十分で行けるようになりますし、車の中はエアコンも効いていて、音楽をかけながら歌うこともできます。そういう観点であれば、非常に良いものであるという意見に共感しかありません。
しかし、世界で1番人間に危害を加えているものの1つも車です。そして、地球環境を破壊しています。
もし、車に対して、実利的な面だけの意見を考えたら、それは「すごく良いもの」という意見が多くなるでしょう。
しかし、別の角度から、それこそ環境問題という観点で考えると、「車はとても悪いものである」という意見ばかりになると思います。
そのため、意見に関しては絶対に正しいとか、絶対に間違っているとかいうことはできないのです。

とにかく、営業員はお客様の意見を否定しても何の得もありません。
どんなことを言われても基本的にはしっかり共感して、なぜ、お客様はそのようなことを思われているのか?しっかり理解しようとする努力が必要です。
仮に、お客様が上記の私のような質問をしてきたとしても、「そうですよね。確かにそう感じてしまったのであれば、私の説明不足でしたので、大変申し訳なかったのですが、ちなみに、〇〇様がそのように思われたのは、何かご理由がありますか?」みたいな感じでしっかり共感しつつ、質問の意図を聞いていきます。

ちなみに、上記の質問のように、サービスの内容が悪い、とか、値段が高い、とかそのような意見の場合には、共感をして全部受け入れてしまうと、サービスの内容が悪いことを認めてしまうことになるので、要注意です。
そのような場合は、しっかり共感はしつつ、そのように聞こえてしまったことを謝罪をした方が良いです。
説明が足りていないため、お客様に商品の良さが伝わっていない可能性があります。
もちろん、本当に、商品のある点において、他社の商品より悪い要素があるのであれば、そこはしっかり認めなければなりません。
ここで下手に濁すより、「確かに、おっしゃる通りですね。そこに関しては、ちょっとデメリットになってしまいますね。」としっかり認めることで、お客様からの信頼を得ることが可能です。

お客様は信頼をした営業員からしか商品を購入することはありません。そして、商品にお支払いいただく金額は営業員の方への信頼度でもございます。
意見を否定されることで、お客様は信頼をするどころか営業員のことを敵とみなし、防衛反応が働いてしまいます。
そうなると、心の扉は閉じ、いかにこの人から離れるか?を考え始めてしまいます。

お客様の意見は、どんな意見であっても100%同意する。(値段が高い、などのネガティブな意見に関しては100%同意したらダメです。)
そのことが、営業員にとって非常に大切なことです。(ちなみに、共感はしても納得までする必要はありません。)
というより、日々のコニュニケーションから大切ですよね。
私もついつい自分が自信を持っている分野に関して、自分の意見と違うことを言われてしまうと、相手の意見を否定してしまう癖があります。
本当に、あの癖を何とかしたいので、日々意識しております。
ただ、やっぱり、自分の意見が絶対に正しいと思っている事柄に対して違う意見を言われた際に、それを否定をしないということは、自分の意見を否定されているのと同じです。
そのため、我慢すると、非常にストレスになるなあと感じているところです。
心も筋肉のように、鍛えれば重いストレスを処理できるようになるといいのですが・・・(笑)