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営業インパルスが下がる瞬間

営業のインパルスとは、お客様が「欲しい!」と感じていただいているときの、前向きな姿勢のことです。

商品やサービスがお客様の問題解決や理想の状態への導きになるとお客様にイメージしていただけると、お客様は商品が欲しくなります。
しかし、商談中のある1点のみ、このお客様のインパルスが大幅に下がる時があります。
それは、値段を伝える時です。
値段を伝えるときは、どうしてもお客様のインパルスは下がってしまいます。

例えば、私も先日「うっ・・・」となった瞬間がありました。
それは、ある営業研修の提案を受けているときです。

私の場合は、研修やセミナーは面白そうなものや勉強になりそうなものがあれば、どんどん受けていくのですが、研修やセミナーは多くの場合、値段がすごく高いです。
さらに、何度も受けていると、話の8割くらいは聞いたことある話になります。
もちろん、同じ話でもセミナーや先生によって伝え方が違うため、その分知織の解像度が上がり、より実践で使いやすくなります。

とはいえ、やはり、なるべく聞いたことのない話を聞きたいわけです。
私が先日、受けた営業研修の提案には、私が今まで学んできたこと以外の初めて聞く話もありました。
初めて聞く話があると、どうしてもその話を聞きたくなりますし、お客様により喜んでもらえるサービスが提供できるようになればいいなと思って、私はその研修が非常に欲しくなったのです。
その商談中に、「60万円くらいなら即決で申し込みをしよう」と決意を固め、それ以上なら検討しようと考えていました。
そして、いざ営業研修の価格を知らされた時に、私は「う・・・」となりました。
なぜなら、金額が400万円だったからです。

さすがに400万円はきついと思い、無言で頭の中でどうやって断ろうか必死に考えておりました。
「お金がない」「こんなに高いと思わなかった」いろいろなことを考え、伝えてみました。

しかし、そのすべてに切り返しトークがあり、結局私はプライベートの資金で購入することになりました。

商談中に値段を伝えた後にクロージングに入ると思いますが、この際にお客様のインパルスが下がり、ほとんどのお客様は無言になります。
しかし、この無言の時間は、多くのケースで「断る理由」を考えていることが多いです。

お客様が「断る理由」を考えていると、どんどんお客様の「欲しい!」がなくなっていき、最後は検討します!
で商談が終わってしまいます。

そのため、この無言の時間にいかに作らないか、つまりお客様に「断る理由」を考えていただかないかが非常に大切になります。

この際に取れるアプローチとして、いろいろありますが、1つはサービス内容の良いところを再確認していただくことです。
例えば、「〇〇様、ちなみに、今までのお話を聞いていただいて、どのあたりが良かったとかありますか?」
とお聞きすると、「この辺りが良かったです」と言ってくれます。
こうすることで、インパルスの低下による悪いところばかり目がいっていた「木を見て森を見ず」状態から、抜け出していただける可能性が高いです。

また、他にもゴールに寄せるということも良いです。
ゴールに寄せるとは、二者択一話法なので、「仮に申し込みされるとしたら、AとBどちらになさいますか?」と聞いたりする、選択肢を狭めてお客様の意思決定をサポートすることです。

こうすると、お客様の脳に選択する意識が芽生えて、より「買う理由」を考えてくれるようになります。

我々営業員の役割は、お客様の「欲しい!」という気持ちを後押ししてあげることです。
なぜならば、お客様がもし、商品やサービスを購入されなかった場合、お客様の問題は解決できず、理想の状況になることができないからです。

商品やサービスを購入いただけないケースの大半は価格が高いことです。
しかし、本来、お支払いいただくお金以上に商品・サービスの価値があれば、お金は使った方がいいはずです。

お客様の問題を解決できる商品・サービスであるにもかかわらず、お客様にご購入いただけない場合は、営業員の怠慢であり、非常に残念なことです。

お客様の問題は何であるのか?を全力で考え、原因を追求し、そのための解決策を提案し、お客様にご購入していただき、投資した以上の金額をお返しする。
これが我々営業員の仕事であり、責務であると私は考えております。